【福利厚生費】夏のイベント代🌻これって福利厚生費?交際費?給与?

経営者の皆様、日々の業務お疲れ様です。秋野彰子税理士事務所です。
毎日厳しい暑さが続いておりますが、体調など崩されていませんでしょうか。

さて、夏といえば納涼会や暑気払い、社員旅行など、社内イベントが増える季節ですね。社員の労をねぎらい、コミュニケーションを深める素晴らしい機会ですが、ここで経営者の皆様が迷いがちなのが「このイベント代、どう経理処理すればいいの?」という問題です。

「会社が払ったお金だから、全部『福利厚生費』で経費になるよね?」と思っていませんか?実は、税務上は実態に合わせて「福利厚生費」「交際費」「給与」のどれに該当するかを正しく判断する必要があります。
今回は、夏のイベント費用に関する正しい経理処理のルールと、税務調査で突っ込まれないための対策について分かりやすく解説します。

第1章:夏のイベント・乾杯イメージ

第一章:全社イベント・社員旅行はOK?「福利厚生費」の基本ルール

まずは、原則として税務上クリーンに「福利厚生費」として認められやすい、基本のパターンを押さえておきましょう。

■ 全社員対象の納涼会

【判定:福利厚生費 ◎】
会社が全従業員を対象に開催し、一人あたりの金額が常識的な範囲(社会通念上妥当な金額)であれば、福利厚生費になります。全社一斉ではなく部署ごとの開催であっても、会社行事として一定の基準で平等に行われていれば対象になり得ます。

■ 一般的な社員旅行

【判定:福利厚生費 ◎】
社員旅行も、以下の要件をすべて満たしていることがポイントです。

  • 旅行期間が4泊5日以内であること
  • 全従業員の50%以上が参加していること
  • 会社負担額が社会通念上妥当であること
  • 役員など、特定の人だけを優遇していないこと

全員に平等に機会が与えられており、常識的な範囲の支出であれば、福利厚生費として計上することができます。

第2章:夜の飲食・グレーゾーンのイメージ

第二章:二次会・幹部のみ・家族同行…「交際費」「給与」になるグレー判定

全社イベントであっても、参加者や目的、支給形態によっては「交際費」や、本人への「給与(=本人の所得税や住民税が増えてしまう)」とみなされるケースがあります。ここは税務調査でもよく確認されるポイントです。

  • 納涼会後の二次会(カラオケなど):
    一次会からの流れで会社行事として行われ、参加者や金額が合理的であれば「福利厚生費」の余地があります。しかし、行きたい人だけで朝まで飲んだ場合や、一部の役員・社員だけで高額な二次会を行った場合は、業務上の懇親なら「交際費」、単なる私的負担なら「給与」となります。
  • 取引先が参加する納涼会:
    接待や関係維持が目的となるため、原則として「交際費」に該当します。社員と取引先が混ざっている場合は、それぞれの負担分を合理的に区分して処理することを検討しましょう。
  • 社長+幹部だけの暑気払い:
    全従業員対象ではないため、福利厚生費にはできません。業務上の会食であれば「社内交際費」、単なる私的な飲食と取られれば「役員給与(賞与)」として課税されるリスクがあります。
  • 社員旅行に家族が同伴:
    社員本人の費用が福利厚生費として認められても、家族分の費用を会社が負担した場合は、その社員への「給与」として扱われます。
  • 沖縄などでのワーケーション:
    業務上必要な交通費・宿泊費・施設利用料は経費にできますが、観光・延泊・家族同伴の費用などは私的費用として明確に切り離す必要があります。
  • 夏休み手当として現金3万円を支給:
    「福利厚生」という名目で支給したとしても、現金や商品券など換金性の高いものは原則として「給与」とみなされ、課税対象となります。
第3章:領収書と記録のイメージ

第三章:税務調査で突っ込まれない!経費処理の必須保存ルール

「福利厚生費」という勘定科目に入れれば福利厚生費になるわけではありません。

イベント費用は領収書だけでなく、実態が伴っているかを客観的に証明できるよう、以下の記録を残しておくことが大切です。

  • 開催目的
  • 参加者
  • 取引先の有無
  • 会社負担額
  • 社内規程
  • 社員全体を対象としているか

夏のイベントを企画するときは、
「福利厚生費・交際費・給与のどれ?」
まで考えておきましょう🌻

まとめ:ルールを守り有意義な夏のイベントを!

夏のイベント費用は、「全社員対象」「常識的な金額」「証拠の保存」の3つを意識することが税務リスクを防ぐポイントです。福利厚生費は正しく活用すれば、会社の節税になりつつ、社員のエンゲージメント(満足度)を高められる強力なツールになります。

私たち秋野彰子税理士事務所は、経営者の皆様がこれらのルールを正しく理解し、自信を持って会社を成長させるための「後押し」をいたします。
福利厚生制度の整備や、日々の経理処理に迷った際は、ぜひ専門家の客観的な「助言」をご活用ください。会社も社員も得をする、筋肉質な経営体質づくりを全力でサポートさせていただきます。

【次回予告】8月第2弾コラムのお知らせ

今回は「夏のイベント」に焦点を当てて解説しましたが、会社を強くする福利厚生の仕組みはこれだけではありません。
今月配信予定の次回のブログ記事(8月第2弾)では、イベント以外の「おすすめの福利厚生アイデア」をテーマに詳しくご紹介します。ぜひ次回もご覧ください!

秋野彰子税理士事務所 代表 秋野彰子

執筆者

秋野彰子税理士事務所 代表 秋野彰子

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